詐欺に注意!
資産運用という言葉は、「自分の将来の資金を確保するために投資をすること」を指します。
投資するには原資が必要であり、そのまとまったお金を狙った詐欺も横行していることには充分注意する必要があります。
自分だけは大丈夫、と自信を持っているほど危ないと言われています。
詐欺師の手口も年々巧妙になってきており、今までの常識は通用しなくなってきています。
「将来のための投資のはずが、騙されてそれどころじゃなくなった」
なんて話は決して珍しい話ではありません。
基本的には、投資に関する知識の浅い初心者をターゲットにしてくるので、予備知識をつけて騙されないための対策をしましょう。
ここでは投資詐欺をいくつかのパターンに分け、それぞれの手口を解説します。
不動産投資への勧誘

どこから個人情報が漏れたのか、ある日突然知らない番号から電話がかかってきて、出てみたら不動産投資の営業だった。
そんな経験はありませんか?
この手の営業電話は、一概に詐欺とも言えない(普通の不動産会社の営業の可能性もある)のですが、相手にしないのが無難です。
第一に、意図していないところで漏れた個人情報を利用してアプローチを掛けてくる時点で信用できません。
この手の営業は問答無用で電話を切るに限ります。
少しでも興味があるそぶりや話を聞く姿勢を見せれば、たちまち向こうにペースを握られてしまいます。
こちらが望まないような物件の契約を押し切られる可能性もありますし、最初からほとんど価値のないようなガラクタ物件を売りつけてくるような悪徳会社も存在します。
いずれにしても電話だけで相手の属性を見抜くことは不可能ですので、すべてシャットアウトしましょう。
自動売買プログラム

株式や最近では仮想通貨などの自動売買プログラムを売りつけてくる手口に注意です。
「このプログラムを使えば必ず儲かる」
「プログラムの購入代金はすぐに回収できる」
このような都合の良い誘い文句を並べてきた時点で、相当怪しんで良いでしょう。
このようなものをわざわざ他人に売りつけようとしてくる輩は、まず間違いなく騙しにきています。
冷静に考えて、本当に儲かるならそれを人に教えますか?
自分たちでそのプログラムを使って稼げばよいだけではないでしょうか?
なんにせよ最前提として、投資に「必ず」と断言できるものはありません。
高利回りのファンドへの勧誘

普通では考えられないような高利回りを謳い、投資家からお金を集めて最終的に高飛びする手口です。
「投資のプロが運用するための資金を集めている。投資してくれれば一定の割合で還元する。」
この手のファンド形式の投資話にも乗らない方が良いでしょう。大抵の場合、年利10~30%といったかなりの高利回りを謳ってきます。
例えば1,000万円の投資を募り、年利24%を保証する。年に240万円計算として、月々20万円ずつ還元しますよ、と。始めはこの20万円を数ヶ月本当に投資家に渡します。
そして信用させたところで追撃を放つのです。
さらなる投資金を引き出させ、頃合いを見て音信普通に…。結果的に多額のお金を持ち逃げされる、といったものが典型的な展開です。
当然ながら、相手は確信犯として騙し取りにきているので、見つけ出して回収するのも困難でしょう。
情報商材

詐欺師が狙うのは基本的に情報弱者です。
例えば資産運用のことをよく知らない人に対し、「必ず儲かる資産運用法」などと謳った情報商材を売りつけるのです。
でもよく考えてみてください。投資に「必ず」や「絶対」なんてものはないのです。
それに、今の時代ネットで調べれば大抵のことは勉強できます。この手の商材は蓋を開けてみたら、ネットで調べれば分かるレベルのものが書き並べてあるだけ、なんてことはザラです。
最初は誰しもが初心者です。分からないことがあれば人から教えてもらいたい、何かに頼りたい、という気持ちも理解できます。
しかし、自分自身の大切な資産に関わることである以上、自分で責任を持てるようにまず勉強してみる、という姿勢は非常に大事です。 情報弱者から脱却することで、この手の詐欺に対する免疫にもなります。
未公開株

未公開株とは、現時点では証券取引所に公開されていない株式のことを指します。 もしもこの株が上場すれば相当儲けることができるわけですが、これを匂わせて近づいてくる詐欺師も多いので注意が必要です。 あたかも近いうちに上場する、と見せかけるだけならまだしも、そもそも存在しない会社の偽株式を掴ませるような手口もあります。当然ながらそれらの株式は無価値です。 この未公開株式を使った詐欺に関しては、さらに手の込んだ手口も確認されています。 詐欺師がターゲットの周りを固め、様々な役割を演じて信じ込ませていく、いわゆる「劇場型詐欺」と呼ばれるものです。
詐欺師Aが証券会社営業マンとしてターゲットに対して未公開株(存在しない)を勧める。
↓
慎重な姿勢のターゲットがこれを断る。
↓
詐欺師Bがまた別の証券会社営業マンに扮し、当該未公開株を持っていないか?という話をターゲットに振る。(もし持っていれば高額で買取りたい、といった話)
↓
強引に売りつけてきたわけでもなく、別方面から「たまたま」同じ未公開株に関するころ話が出たことにより、本物の未公開株なのではないか、と信じて始めてしまう。
↓
詐欺師Cが、さらに別の証券会社営業マンとして、再度未公開株を売りにくる。
本物かもしれない、という気持ちが芽生えているターゲットは購入してしまう。
このように非常に手の込んだことをしてくるケースもあります。
詐欺師たちは今後も見たことのないような手口を編み出してくるでしょう。
自分だけは大丈夫、騙されない自信がある、といった驕りや油断は捨てましょう。
警戒するべきキーワード
大抵の場合、ターゲットに安心してお金を出させるために、甘い言葉を並べてきます。
「必ず儲かる」
「元本は保証される」
「今だけの特別な情報」
あたかもリスクがなく、確実に儲かるような言い回し、そんな話が聞けるあなたは特別なんだ!といった空気まで醸し出してきます。
何度でも言いますが、必ず儲かるなんておいしい話は世の中ありません。
儲け話にはそれ相応のリスクがあるのが一般的です。
そしてもし仮にこの手の話に騙されてしまった人がいたとしても、私はその人に同情はできません。
何も考えずに楽して儲けようとしてしまった自分の卑しい気持ちを戒めましょう、といったところです。
もちろん詐欺師が悪いのは大前提です。
しかし、この手の話は、騙される側には騙されるだけの問題があるのも事実です。
自分の資産は自分で守り、将来のための運用もすべて自己責任で行う、時代はそのように変わってきているのです。